リハビリテーション科

各事業部門の紹介

西の京病院

(理学療法士:30名、作業療法士:8名、言語聴覚士:6名、アシスタント:3名、合計:47名在籍)

理学療法部門

 毎年新人を迎え、少しずつ人員が補充されつつあります。スタッフ間のコミュニケーションも良く、常に患者様の情報交換を図ることができる環境です。
整形班、心臓班、透析サルコペニア班に分かれ、他職種と密な連携を取り、専門的なリハビリを実践しています。また研究活動にも取り組み、自分たちの治療技術の向上につながるよう日々研鑽しています。

透析サルコペニア班では、患者様に運動を継続的に実施してもらえるよう、透析中の運動療法などを行い、下肢の筋力強化や柔軟性の改善を図るように取り組んでいます。

「透析サルコペニアサポートチーム」の詳細はこちら

整形リハビリテーション

人工関節術後の理学療法

 人工膝関節、股関節の手術後は創部の痛みや腫れなど、十分な医学的管理が必要です。そのため医師、看護師と連携をとり、リハビリを進めていきます。
 リハビリでは、創部の痛みや脹れだけでなく、年齢や歩行状態など、個別に合わせて運動内容を考え提供しています。一人一人無理のないペースで関節可動域訓練や筋力増強訓練、日常生活動作練習を行っていきます。

〜退院後も個々に合わせたリハビリを提供〜

 人工関節と末長く付き合っていただけるように、退院後も継続的に運動療法や身体機能評価を行い、個々の希望や目標達成を支援させていただきます。

腰椎術後の理学療法

 基本的には術後翌日から起立、歩行練習を実施し、早期離床を目指して経験豊富な理学療法士がリハビリを開始していきます。手術前にも担当の理学療法士が患者様の状態を評価しますので、術後のリハビリがスムーズに行えます。

〜手術前後で歩き方の変化を数値化〜

 脊椎、下肢各関節の手術前後に、「3次元動作解析」と「下肢荷重計」により歩行の客観的な評価を行い、術後の移動がスムーズに行えるようリハビリを提供しています。
 特に下肢人工関節(THA・TKA)の歩行に関する研究を継続的に行い、術前後での評価や治療ポイントを明確することで、治療の質を向上し患者様の満足度を上げるように努力しています。

整形リハビリテーション

 リハビリテーション科では心臓チームを立ち上げ、院内のCaST(心臓治療に関する院内の専門チーム)の一員として、多職種と連携し患者教育など様々な疾病管理プログラムを実践しています。特に運動療法については、患者様それぞれに適した運動方法や運動強度をより具体的に指導しています。

<心臓リハビリテーションの効果>
<心臓リハビリテーションプログラム>

  • @バイタルサイン(血圧、脈拍)や自覚症状を確認
  • A準備運動及びストレッチ(5〜10分)
  • B歩行練習や自転車エルゴメーターを使用した有酸素運動(20〜30分)
  • Cクールダウン(5〜10分)
    ※自転車エルゴメーターは心電図、血圧、脈拍などをモニタリングしながら行います

作業療法部門

 作業療法は、主に病気やケガで食事や排せつ、入浴などの日常生活が困難になり介助が必要となった患者様に対して機能訓練や動作練習などのリハビリを行います。
 特に、脳梗塞や脳出血などの後遺症で、手の運動麻痺に対する機能訓練や、高次脳機能障害に対するリハビリ、また少しでも患者様自身で日常生活動作(ADL)が行えるように、動作練習を行うだけでなく、環境や使用する道具の調整も行います。

 整形外科の分野では、上肢(指から肩)の骨折や手根管症候群など手の障害に対して、手術前や手術翌日から関節の動きや筋力を維持・向上するためのリハビリを行い、早期に“使える手”(useful hand)の獲得を目指します。

 それ以外にも内科疾患の患者様や認知症患者様に対してADL訓練や心理的作業療法(気晴らし的作業活動)を行い、生活意欲の向上や生活リズムの確立、認知機能の維持・向上なども行います。

 院内での活動としては、認知症ケアチームの一員として、認知症や認知症の疑いのある患者様に対して、医師・看護師・薬剤師らと共同し、急性期治療が適切に実施され、認知症医療やケアが適切に行えるようカンファレンス(会議)やラウンド(回診)で助言やアドバイスを行います。
 また排尿ケアチームにも参加しており、こちらも医師や看護師らと下部尿路機能障害の患者様の機能回復のためにラウンドを行い、一日でも早く排尿が自立することで、人としての尊厳を守るだけでなく、転倒予防や寝たきり予防を目指しています。
 当法人には地域包括ケア病棟や介護老人保健施設ロイヤルフェニックス、訪問看護ステーションかがやき、介護付き有料老人ホームメビウス大和郡山など、在宅(地域)と関わる事業所や施設が多数あり、互いに情報共有を図ることで、在宅から病院や施設、また病院や施設から在宅など、生活の場が変わっても、途切れることなく医療や介護を提供する体制を整えています。その中で、その人らしく・いきいきとした生活が送れるように作業療法士は関わらせて頂きます。

言語聴覚療法部門

 脳損傷の後遺症による失語症、構音障害などの「言語障害」や、食べることが困難となる「摂食嚥下障害」に対してリハビリテーションを実施します。

言語障害のリハビリテーション

<失語症>

 脳卒中など大脳の損傷により「聞いて理解する」「話す」「読む」「書く」といった言語にまつわる機能が障害を受け、ことばを上手く扱うことができなくなる症状です。失語症の種類や症状を分析する検査を行い、評価に基づいて訓練を行っています。

<構音障害>

 同じく脳損傷による唇や舌の麻痺によって「呂律が回らなくなる」といった、ことばが上手く発音できなくなる症状です。姿勢や呼吸、発声、発音などさまざまな側面から検査や評価を行い、症状に合わせた訓練を行っています。

摂食嚥下障害のリハビリテーション

 脳卒中や神経難病、また近年では老化によっても「食べる」機能の障害、すなわち摂食嚥下障害が生じることがあります。当院では「食べものが飲み込みにくい」「むせてしまう」など食べることが困難になった患者様に対し、食事の方法、食事の種類、栄養方法、口腔清潔管理などさまざまな角度から、医師・歯科医師・看護師・看護師・歯科衛生士など多職種と連携し、患者様ひとりひとりが食べる意欲を高め、口から食べる楽しみを持ち続けて頂けるよう支援しています。

<摂食嚥下機能評価・訓練>

 嚥下障害の評価として、反復唾液のみテスト、水飲みテスト、フードテストに加え、嚥下内視鏡検査(VE)を実施し、嚥下障害の重症度を判定します。検査の結果をふまえて、嚥下に関わる器官(唇、舌、のどなど)の動きを改善させる間接訓練や、実際に食べることで嚥下する力を改善させる直接訓練を行います。

介護老人保健施設ロイヤルフェニックス

(理学療法士:17名、作業療法士:5名、言語聴覚士1名、合計:23名在籍)

 入所・通所の利用者様に対して生活上必要な動作・機能練習を実施し、在宅で生きがいを持って生活できるようリハ専門職として支援しています。
 当施設では積極的に運動を実施して頂くために、筋力や持久力強化を図るレッドコードやマシン機器を配置しているほか、システムキッチンや和室(掘りこたつ付)など実際の家屋を想定した生活リハや、屋外には園芸テラスや畑があり、趣味や活動の幅を広げるリハサービスも提供できるよう整備しています。

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訪問看護ステーションかがやき

(理学療法士:3名、作業療法士:1名、言語聴覚士:1名、合計:5名在籍)

 訪問看護ステーションでは、利用者さまや家族さまを中心として、様々な在宅サービスを提供する職種やスタッフとの連携を密に利用者様は10代〜90代で、難病、中枢疾患、整形疾患、内部疾患、小児麻痺、認知症など多種多様となっております。予防期〜ターミナル期まで利用者様ご本人やご家族様の意思・ライフスタイルを尊重し、主体的な充実した在宅生活が送れるよう日々取り組んでおります。身体機能に偏ったリハビリではなく「活動」や「参加」など生活機能全般を向上させるため視点をもち、アプローチ出来るようスタッフ間でのコミュニケーションを密にとっています。

 また看護師と共に訪問に入っているケースも多く、日々のミーティングや特に気になるケースは月1回のカンファレンスで取り上げて、互いに連携を取り合っています。
 ステーションは職種の垣根を越えて仲が良く、とてもアットホームな雰囲気です。特に行事となると、全員で全力全開で愉しみながら取り組んでいます。法人内でも評判の仲の良さを誇っています。

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職場としておすすめPoint

  • @新人教育について、教育委員会を設置し、「新人を困らせない」よう、指導者側も常にレベルアップを図るよう努力しています。卒業後、1日でも早く、臨床で一人前のセラピストとして活躍できることを目標に、指導させて頂きます。
  • A子育て中の女性が多い職場であり、診療をサポートできる体制が整っています。勤務時間の相談もしやすく、仕事と育児の両立が行ないやすい環境です。また働く時間が短い分、スタッフ間で密に情報を共有し合うことを大切にしています。

「どのような時期・状況であっても、温かい心配りと質の高い技術で、
その人らしく日常生活(人生)が送れるよう支援します。」

 急性期・回復期・生活期のすべての時期において、どのような生活上の不便さがあっても、我々は温かい心配りができるよう笑顔で迎え、そして専門職として、より質の高い技術を常に磨き、適切にサービスを提供することで、その人らしく日々暮らせるお手伝いをすることとしています。

 これからも我々リハビリ専門職が、患者様・利用者様に自信を持っていただけるようにいろんなアプローチを実践し、その人らしく日常生活(人生)が送れるよう支援させて頂きます。