骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)

概要

「いつのまにか骨折」は、近頃よく耳にする言葉ですが、実はその裏に「いつのまにか骨粗鬆症」が隠れているかもしれません。自立した生活を営むためには、転倒しても骨折しない丈夫な骨格と、転倒しない筋力・バランス能力が求められます。当院の骨粗鬆症リエゾンサービスチーム(OLS)はメディカルスタッフの連携によるチーム医療を行っています。骨密度測定で骨の弱さを見出し、体組成測定で筋肉量、またリハビリテーションでバランス能力を評価しています。一人ひとりに適切な骨粗鬆症診断を行い、その後は治療を開始・継続することで、骨折しない・生涯自立して生活できる身体作りをOLSチームが応援します。

原因・症状

・加齢
骨密度のピークは男女共に20代で、その後は徐々に低下します。若い頃から食生活や運動習慣に気をつけて骨密度の低下を予防することが重要です。

・女性ホルモンの低下
女性ホルモンのエストロゲンには骨吸収のスピードを緩和する効果があり、閉経でエストロゲンが減少し骨吸収のスピードが上がるので、閉経後に骨粗鬆症が多くみられる傾向があります。

・生活習慣
カルシウム、ビタミンDやビタミンKなどの欠乏、過度のダイエット、運動不足や日光不足、喫煙や過度の飲酒などは、骨密度・骨質の低下につながります。また、糖尿病や関節リウマチ、内臓疾患などでも骨質が低下します。

検査・診断

骨密度測定(DEXA法)

DEXA法とは、Dual Energy X-ray Absorptiometryの略で、2種の異なるエックス線を照射し、骨と軟部組織の吸収率の差で骨密度を測定する方法という意味です。被ばく量は極めて少なく、迅速かつ精度の高い測定ができ、骨密度測定の標準とされています。
当院ではGE社製の高性能の測定器を使用し、DEXA法により腰椎と大腿骨頚部の2ヶ所の骨密度を測定しています。腰椎と大腿骨を測定することにより、他の部位の骨折リスクも評価することができます。検査時間は5分程度で、じっと寝ているだけの検査です。

骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)チーム

OLSチームとは、骨粗鬆症診療のコーディネーター(調整)の役割を意味します。当院では2019年にOLSチームを立ち上げ、骨粗鬆症の診療に対して医師だけでなく、看護師・薬剤師・放射線技師・理学療法士・管理栄養士・臨床検査技師・臨床工学技士・歯科衛生士など多職種が専門性を活かし、連携して骨粗鬆症治療、骨折予防に取り組んでいます。

  • ・看護師(骨粗鬆症マネージャー)
  • ・薬剤師(骨粗鬆症マネージャー)
  • ・理学療法士
  • ・放射線技師
  • ・管理栄養士
  • ・歯科衛生士
  • ・臨床検査技師
  • ・臨床工学技士
  • ・医療クラーク

骨粗鬆症マネジャーとは

骨粗鬆症に関する知識を有するメディカルスタッフとして、一般社団法人日本骨粗鬆症学会が認定する資格で、骨粗鬆症の啓発・予防、再骨折予防、円滑な治療を行うためのサポートといった骨粗鬆症診療支援サービスの役割を担う専門スタッフです。
より一層、充実した骨粗鬆症の予防、診断と治療を提供し、超高齢社会における健康格差の縮小と健康寿命の延伸に貢献します。

活動(学会)報告

第22回 日本骨粗鬆症学会(オンデマンド配信)

「テリパラチド連日製剤による治療導入と治療終了後に発生した新規脆弱性骨折の検討」
内藤浩平(整形外科部長)

「脆弱性骨折患者に対するOLSチームの取り組みー薬剤師の介入前後における薬剤使用の変化」
西岡志真(薬剤師)

「病棟における骨粗鬆症チェックシートを使用した情報共有のための取り組み」
田中博子(看護師)

yomiっこ取材:メディカル最前線

yomiっこ2020年8月号

お問い合わせ

受診日(随時相談)
患者支援センター TEL:0742-35-2219

奈良市骨粗しょう症検診の案内

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