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循環器内科
心臓の働き
心臓は筋肉の塊で通常握りこぶし2つ分くらいの大きさです。成人の心臓は重さが約250~300gで1分間に約5Lの血液を全身に送り出すポンプの働きをしており、1日に約10万回収縮と拡張を繰り返し休むことなく働く、生命維持に必須の臓器です。この心臓のポンプの働きにより全身の臓器や筋肉などは血液から酸素や栄養を受け取り様々な生命活動をすることができます。
心臓や血管の病気は生活習慣に大いに影響されます
以下のチェックで3つ以上当てはまる人は要注意です。早めに受診しましょう。
- □ 年齢は40歳以上である
- □ 家族や親族に、心臓病(狭心症、心筋梗塞、不整脈)になった人がいる
- □ 肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病のいずれかの持病がある
- □ 喫煙者である(または家庭内に喫煙者がいる)
- □ ほとんど運動をしない(1回30分以上の運動が週2回以下)
- □ 食事は、塩分や脂肪分を控えるよう意識していない
- □ ふだんの生活は規則正しくない(食事時間・回数・起床時間など)
- □ 自覚的なストレスがある
- □ 階段や坂道をのぼると、動悸や息切れがする
- □ ちょっとした距離を歩いただけで、心臓の鼓動を感じる
- □ 胸の痛みを感じることがある
症状からみた心臓病
こんな症状はありませんか?
- 1. 胸や背中の痛み、圧迫感
- 2. 息切れ、呼吸困難、倦怠感
- 3. 動悸
- 4. 足がはれる、顔がむくむ
- 5. 失神、めまい、ふらつき
- 6. 足の痛み
1. 胸や背中の痛み、圧迫感
痛みの特徴
痛む場所
冠動脈の動脈硬化に伴う場合
多くの場合、歩行、入浴、食事のときなどに生じます。安静にすると治まりますが、繰り返し起こります。ニトログリセリン(ニトロペン)をなめると数分で治まります。重症になると安静時にも起こる様になり、30分以上続く場合が心筋梗塞など重大な病気の可能性があり救急車などですぐに受診することを検討して下さい。
動脈のけいれんによる場合
主に就寝中や午前中の安静時に起こります。寒冷による刺激、就寝中、午前中
2. 息切れ、呼吸困難、倦怠感
これまでできていたことが息切れで休みながらでないとできなくなった、同年代の方と同じペースで歩くことができない、階段や坂道がつらい、何をするにも体が重くだるいなどの症状は心臓の病気の可能性もあります。
3. 動悸
一瞬ドキンとして脈がとんだように感じる。
「期外収縮」という不整脈の一種かもしれません。治療しなくてよいものから、命に関わる重症のものまでいろいろあります。
■どんな期外収縮がどういう頻度で起こるか調べます。
突然脈が早まり、ドキドキして胸苦しくなるが、突然治まる。
「頻脈性の不整脈」
タイプ:発作性上室性頻拍症 / 発作性心房細動 / 心室頻拍など
■どのタイプの頻拍症がどういう頻度で、どのくらい持続するかによって大きく治療方法が異なります。
心臓の鼓動がドキドキと感じる。
何かしていると気づかないが静かにしていると気づく。
→心臓の病気ではない可能性が高いと思われます。
例:貧血 / 甲状腺ホルモン分泌過剰 / 精神的ストレス
4. 足がはれる、顔がむくむ
持続時間30分以上続く場合は、狭心症ではなく心筋梗塞である可能性があり、冷や汗、吐き気を伴います。ニトログリセリン(ニトロペン)は効果ありません。
体内に余計な水分がたまる“浮腫”の可能性があります。浮腫の原因は心臓以外にも様々ありますが、足のむくみを指で押して凹ましたあと、元に戻るまで時間がかかるようであれば心臓の病気の疑いがあります。
5. 失神、めまい、ふらつき
脈がゆっくりになり、めまいやふらつき、ときに気を失う。
→「洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性の不整脈」が疑われます。
■突然死の原因となるため早急に人工ペースメーカーの植え込みなど、特殊な治療が必要になることがあります。
6. 足の痛み
あるき始めてしばらくすると足のふくらはぎを中心に痛みが出現し歩けなくなり、しばらく休憩するとまた歩けるようになるといった症状(間歇性跛行)の場合の血流の低下が疑われます。ひどくなると安静にしていても痛みが生じる場合もありますが、一般的に安静時の痛みや姿勢で変化する痛みは血流の問題よりも椎間板ヘルニアなど神経疾患などが疑われます。
心臓病の種類
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
心臓自身に栄養や酸素を送っている冠動脈が動脈硬化などで狭くなり、心臓が酸素欠乏に陥る状態(狭心症)や、血管が詰まってしまって、心臓の一部が死んで動かなくなる状態(心筋梗塞)があります。 生活習慣病とかかわる重大な病気で、最初の発作で『突然死』することもあります。
「痛くて歩けない(間欠性跛行)」「足指の傷が治らない」などの症状の場合、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いも考えられます。
虚血性心・下肢動脈疾患について、詳しくはこちらもご覧ください。
弁膜症
心臓の中には、血液の流れを一方通行にして逆流を防ぐ弁が4つあります。これらの弁の障害による病気が弁膜症です。これには、弁が硬く開きにくくなる「狭窄症」と、弁が閉じきらずに血液が漏れてしまう『閉鎖不全症』があります。弁膜症には、先天性のものや、加齢、動脈硬化などの結果生じるものもあります。
不整脈
心臓は規則正しい電気的刺激とその伝導で働いていますが、この刺激が乱れたり断線したりして心臓が不規則に収縮する病気です。無症状のこともありますが、動悸として感じることが多く、時には前触れなく失神することもあります。
心不全
心不全とはなんらかの心臓の病気のために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気です。原因は様々ですが結果的に血液のポンプとしての働きが弱り、そのため全身に必要な血液が供給されなくなる、あるいは血液の流れが滞る状態です。心不全といわれたらその原因となる病気についてはっきりさせることが重要です。
心不全の患者さんは年々増加し続け社会問題ともなっています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病も心不全の大きな要因であり早い段階から予防や治療を行うことが重要です。
外来で行う代表的な検査
症状にあわせて以下の検査から必要なものを行います。
血液検査
貧血の有無、肝臓や腎臓の働きなど基本的な項目に加えて、心臓への負担の程度をみるBNP・NT-proBNPといった項目を検査します。
胸部レントゲン
病気によっては心臓が大きくなることがあり、心臓全体の大きさや心不全所見の有無などを確認します。
心エコー(超音波)検査
心臓の形や動きに異常がないか弁膜症など血流の乱れがないかなどについて調べます。
心電図
不整脈の有無、狭心症やそのほか心臓の病気が隠れていないかなどを確認します。
運動負荷心電図
狭心症など病気によっては体を動かしたときにしか異常がみられない場合があります。安静時の心電図では見つけられない異常について、運動によって負荷をかけた状態で異常がないか確認します。
24時間心電図
心臓の病気の診断には症状があるときの心電図が非常に有効です。しかし外来では必ずしも症状のあるときに心電図が記録できるとは限らず、24時間連続で記録することによって特に不整脈の診断の精度を高めます。
心臓CT
主に狭心症が疑われるときに行います。造影剤を投与しながらCTを撮影することで心臓の血管(冠動脈)に動脈硬化による狭窄がないかを確認します。当院ではマルチスライスCTを導入しており、質の良い画像で正確な診断が可能であると同時に被曝量も軽減されます。
ABI(血圧脈波検査)、SPP(皮膚灌流圧検査)、サーモグラフィー
足への血液のめぐりを確認する検査です。足の痛みがある場合などに行います。
下肢動脈エコー
足への血液のめぐりが悪い場合に実際にどの部位の動脈に問題があるのかを確認するために行います。
入院で行う検査・治療
以上のような検査の結果必要に応じて、入院のうえ血管内カテーテルを用いた検査・治療を行います。
心臓カテーテル検査(冠動脈造影)
症状や外来検査などから強く狭心症などが疑われる場合に行います。主に手首にある橈骨動脈から検査用のカテーテルを挿入し心臓の血管(冠動脈)を明瞭に確認します。強い狭窄がある場合には引き続いてカテーテルによる風船治療を行います。
末梢血管造影
主に足の動脈硬化による狭窄が疑われる場合に行います。強い狭窄がある場合には引き続いてカテーテルによる風船治療を行います。
スタッフ紹介
氏 名
齊藤 精久
役 職
循環器内科顧問
兼 西の京介護医療院やすらぎ施設長
出身大学
昭和58年 自治医科大学卒
専 門
内科全般
循環器(心臓)
資格・認定医
- ・医学博士
- ・日本内科学会総合内科専門医
- ・日本循環器学会専門医
- ・日本プライマリ・ケア連合学会専門医・指導医
- ・日本高血圧学会高血圧専門医・指導医
- ・日本医師会認定健康スポーツ医
- ・日本心臓ペースメーカー友の会奈良県支部顧問
氏 名
福井 寛人
役 職
内科部長
出身大学
平成元年 日本大学卒
専 門
循環器(心臓)
資格・認定医
- ・日本体育協会 スポーツドクター
氏 名
名方 剛
役 職
心臓・下肢動脈センター長
出身大学
平成16年 兵庫医科大学卒
専 門
循環器内科
資格・認定医
- ・日本内科学会認定内科医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会専門医
- ・下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施医
氏 名
辻󠄀本 大輔
役 職
循環器内科医長
出身大学
平成18年 関西医科大学卒
専 門
循環器内科
資格・認定医
- ・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
- ・日本循環器学会循環器専門医
- ・日本心血管インターベンション治療学会専門医
- ・日本心臓リハビリテーション学会指導士
- ・日本禁煙学会 禁煙サポーター