診療支援部放射線科

各種検査

一般撮影

一般撮影では、胸部、腹部、全身の骨、軟部(皮膚、関節)等のX線撮影を行います。放射線を利用した検査の中で最も基本となる検査で、臓器や骨の情報を短時間で得る事ができます。撮影機器はフラットパネルディテクター(FPD)を使用しており短時間で鮮明な画像が得られます。

骨密度測定

2種類の異なるX線を用いて骨と他の組織におけるX線の吸収率の差から骨密度を測定するDEXA法を採用しています。より正確な測定を行うため腰椎と大腿骨を測定しており、骨の構成要素であるカルシムやミネラルの量を測定する骨粗しょう症の診断や薬剤栄養運動療法の治療効果判定に必要不可欠な検査です。

X線透視検査

透視検査とは、X線を利用して透視(リアルタイムに画像を映す)撮影を行う検査です。
胃のバリウム検査をはじめ、食道、小腸、大腸などの消化管検査や胆道系の検査を行います。また内視鏡を使用した検査・治療の補助的な役割や泌尿器科での尿路造影検査、整形外科領域の脊髄造影や整復術などにも用いられます。

CT検査

X線を利用して身体の内部(断面)を画像化する検査です。短時間の息止めで広範囲の撮影が可能な装置を使用していますので検査時間の短縮に加え、高精細な画像で患者様の被曝低減にも優れています。

【西の京病院】

GEヘルスケア製256列(512スライス)CT
Revolution CT

1回転の撮影が160mm幅と広範囲のデータ取得が可能。また、最新画像再構成のAI技術の搭載で、低被ばくでありながら、より詳細でクリアな画質が提供できる安全で安心いただける装置です。

  • 検査時間の大幅な短縮
    心臓撮影は1秒 / 肺の撮影は約2秒
  • 被ばくの大幅な低減
    低線量胸部CT撮影では胸部レントゲン撮影
    2枚程度の被ばく量で撮影可能
  • Dual Energy撮影
    造影剤の減量撮影や早期の骨折診断も可能

【メディカルプラザ薬師西の京】

シーメンス社製64列(128スライス)CT
SOMATOM go.top

高精細な画像データ収集により、これまでの輪切り画像だけではなく、任意の角度の断面像や3次元画像での画像評価が可能です。最新のX線被ばく低減技術を搭載していますので、安心してCT検査を受けていただくことができます。

CTCA(CT冠動脈造影)

この検査は造影剤を急速に静脈注射し、冠動脈内の造影濃度が最も高くなるタイミングでCT撮影をすることで、冠動脈の血管走行を描出するものです。

また常に拍動している心臓を撮影するため、心電図を装着し心臓の動きに合わせてCT撮影を行います。撮影した輪切りの画像データを処理し、心臓や冠動脈の3D画像を作成します。主な目的は冠動脈内腔の評価ですが、動脈硬化などによる石灰化の評価やステント治療を行った動脈の再狭窄の有無も評価することができます。

MRI検査

X線では無く磁力と高周波を使用しますので放射線被曝の心配がありません。検査時間は30〜60分で、全身の臓器をいろいろな方向の断面で画像化できます。
造影剤を使用しなくても身体のさまざまな血管を描出することが可能ですので下肢静脈瘤といった血管外科領域の検査にも役立っています。また、整形外科領域はもちろん、脳卒中の検査やアルツハイマー型認知症の可能性を調べるVSRAD検査にも対応しています。

PET検査

がん細胞が正常細胞に比べブドウ糖を多量に摂取する特性を利用した検査です。FDGというブドウ糖類似薬剤を静脈注射し、1時間安静後に撮影すると薬剤が多く集まるところがわかります。約20分で全身をチェックすることができ、がんの早期発見・悪性度判定・病期診断・原発巣検索・治療後の効果判定・転移再発診断に有効です。
現在当院ではPET専用機2台とPETとCTを組み合わせたPET-CT装置1台の3台体制で検診と保険診療にあたっています。

PET-CT

PET-CT検査とは、放射性薬剤を注射してその薬剤の腫瘍への集まり方により体の機能を撮影するPET検査と臓器の形状を撮影できるCT検査を組み合わせ、1回の検査で両画像を重ねて表示することができます。機能情報と形態情報の重ね合せにより「がん」より正確な診断に威力を発揮する検査法です。

マンモグラフィ

乳がんの早期発見に有効な画像診断のひとつです。
専用のX線装置を使用し、片方ずつ装置ではさみ圧迫して撮影を行います。診断に適した写真を撮るためには乳房を均等に圧迫することが非常に重要で、圧迫により乳房内部の様子を鮮明に写し出すことができ、さらにX線被曝も少なくすることができます。当院は、日本乳がん検診精度管理中央機構より検診精度管理の線量・画質基準を満たすマンモグラフィ検診施設として認定されており、撮影は全て女性技師が担当しています。
また、マンモグラフィ装置は富士フィルム社製 AMULET Innovalityを使用し、より粒状性が良い高精細な診断画像で“診やすく”、以前に比べて撮影線量の大幅に低減された“やさしい”検査が提供可能となりました。

FS(Fit-Sweet)シフト圧迫板

優しく乳房(乳腺)全体にフィットすることで圧力を分散します。さらに圧迫自動減圧制御機能で最大圧迫圧となっている時間を低減し、以前に比べて痛みの少ない検査を実現します。

血管造影検査

心臓を栄養する冠動脈や下肢動脈の検査や治療をおこないます。

従来の装置に比べ被曝が約半分と少なくてすむほか安全機構も万全ですので、安心して検査、治療をお受けいただけます。

奈良市肺がん低線量CT検診について

現在我が国において、がん死亡原因の第1位は肺がんです。
近年奈良市でも肺がんによる死亡者数が増加傾向にあるため、本年度より検診方法が従来のエックス線撮影から肺がんの発見率が高い低線量CTでの実施へと変更になりました。
肺がんは、治せる早期のうちに見つかり難いがんの代表とも言われています。
そのため早期発見が大変重要となりますので、この検診の対象となられる方は、この機会に是非受診されることをお勧めいたします。

肺がん低線量CT検診の特徴

対象者および検査の流れ

・対象者
 奈良市に住民登録があり、今年度内に50歳・60歳になる方

・検査の流れ