血管外科センター

北海道大学病院循環器外科で外科医の基礎を学んだ後、2008年から当院で血管外科を開設しています。とくに静脈疾患(下肢静脈瘤、深部静脈血栓症など)やリンパ疾患(リンパ浮腫など)の治療を専門的に行っております。これらの疾患でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

血管外科センター長 今井崇裕

下肢静脈瘤にお悩みの方へ

足の血管が青く浮き出たり、瘤状になる下肢静脈瘤。見た目はもちろんこむら返りも引き起こします。西の京病院血管外科センターは下肢静脈瘤に特化した治療を行っています。グラフのように当センターが皆様にご支持得ておりますのは、綿密なエコー検査の上、患者様の症状と悩みを確認し、圧迫療法、硬化療法、血管内焼灼術、血管内塞栓術、ストリッピング手術と幅広い最新の治療機器を使い分け最適な施術を選択。いずれも30分以内の施術で日帰り治療も可能です。全ての治療法に対応した専門施設は少なく、患者さんは奈良県外から来院される方も増えています。また、全国でもトップクラスの手術件数を誇り、医療関係者も多数、手術見学に来られています。とくに術後の痛みと傷跡を最小限に、そして再発の可能性を減らすようにさまざまな工夫をしています。

下肢静脈瘤手術件数の推移

氏 名

今井 崇裕

役 職

血管外科センター長

出身大学

平成11年 埼玉医科大学卒

専 門

血管外科

評議員
世話人
幹事等

  • ・日本血管外科学会 評議員
  • ・日本脈管学会 評議員
  • ・日本静脈学会 評議員(弾性ストッキング・コンダクター養成委員 国際委員 広報委員 保険委員)
  • ・日本リンパ浮腫治療学会 評議員
  • ・Japan Venou Talk 代表理事
  • ・近畿Venous forum 世話人
  • ・関西CVTの会 運営委員
  • ・関西リンパ浮腫治療研究会 世話人
  • ・かもがわVenous Forum 幹事
  • ・糖尿病の足病変を考える会 世話人
  • ・Phlebology Meeting OSAKA 代表世話人
  • ・奈良県の静脈とリンパの病気を考える会 代表世話人

国際関連

  • ・世界静脈学会 "The International Union Phlebology" the Engagement Working Group Member
  • ・インドネシア血管外科学会 "Journal of Indonesian Society for Vascular and Endovascular Surgery"国際編集員
  • ・トルコ血管外科学会 "Turkish Journal of Vascular Surgery" 国際編集員
  • ・メキシコ "ARIAS MEDICAL FOUNDATION" Presidium member
  • ・ギリシア "European Independent Foundation in Angiology" 静脈性潰瘍研究員
  • ・イタリア "L'ACCADEMIA ROMANA DI FLEBOLOGIA" 名誉会員

資格・認定医

  • ・日本外科学会 指導医・専門医・認定医
  • ・日本脈管学会 指導医 専門医
  • ・麻酔科標榜医
  • ・リンパ浮腫療法士
  • ・血管内レーザー焼灼術指導医・実施医
  • ・認定感染制御医師(ICD)
  • ・弾性ストッキング・コンダクター
  • ・ICLS ACLS BLS JATEC
  • ・認定産業医

受賞歴

  • ・2017年 日本静脈学会「平井圧迫賞」
  • ・2018年 ARIAS MEDICAL FOUNDATION AND THE SCIENTIFIC INSTITUTE OF HIGHER EDUCATION 「Excellence Award」
  • ・2019年 南都銀行 第5回<ナント>サクセスロード「特別賞」
  • ・2022年 第11回杉浦地域記念振興財団「地域振興賞」
  • ・2022年 Good Design賞「NARAソックス・プロジェクト たぴぽ」

氏 名

葛井 総太郎

役 職

透析医長
兼 血管外科医長

出身大学

平成19年 筑波大学卒

専 門

血管外科全般(腹部大動脈瘤、下肢閉塞性動脈硬化症、透析シャントトラブル、下肢静脈瘤など)
重症下肢虚血の診断と治療
透析シャントの過剰血流やスティール症候群に対する減量手術

資格・認定医

  • ・日本外科学会専門医
  • ・日本心臓血管外科学会専門医
  • ・日本血管外科学会血管内治療認定医
  • ・日本脈管学会専門医
  • ・胸部ステントグラフト実施医
  • ・腹部ステントグラフト指導医
  • ・浅大腿動脈ステントグラフト実施医
  • ・下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医
  • ・心臓血管外科修練指導者

非常勤

氏 名

多良 祐一

出身大学

平成26年 佐賀大学卒

専 門

心臓血管外科

資格・認定医

  • ・外科専門医
  • ・下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医
  • ・腹部大動脈ステントグラフト実施医

診察日

 
午前 手術(今井) 外来(今井) 手術(今井) 手術(今井) 外来(出張医)
午後 外来
(今井/葛井)
外来(今井) 外来(今井) 手術(今井)

*診察時間:午前9時〜12時、午後2時〜5時
*第3月曜休診
*診察は予約の患者様が優先されます。
*金曜日の午後・日曜・祝日は休診日です。
*土曜日の診察および手術は出張により休診となる場合があります。

痛みが強く歩行が困難である、潰瘍ができているなど緊急を要する方は、予約時にご相談下さい。場合により、優先的に診察させていただきます。

初めて受診される方へ

●ご予約について

診療のご予約

診察をご希望の方はお電話またはEメールにてご予約をお願いします。

TEL:0742-35-12760742-35-1276 (血管外科センター直通)

受付時間:平日9:00〜17:00 土曜9:00〜12:00

E-mail:kekkangeka@nishinokyo.or.jp
E-mailでお問い合わせ頂いた場合、返信まで数日かかる場合がございます。

●初診当日について

*以下のものをご持参下さい。
○保険証
○薬手帳など服用中のお薬内容を記載したもの(薬を服用中の場合)
○他院からの紹介状(お持ちの場合)
○他院での検査結果(お持ちの場合)※下肢静脈超音波検査・血液検査の結果など

*足の状況を確認させて頂きますので、着脱のしやすい服装でお越し下さい。

※当院の診察券をお持ちでない方
 予約時間の10分前までに受付へお声かけをお願いします。
※当院の診察券をお持ちの方
 再来受付機に診察券を通して頂き、受付の前でお待ち下さい。

見学を希望される医療従事者の方へ

●手術見学およびトレーニングについて

当科での手術見学や手術トレーニングを希望される方は、下記の書式にご記入・ご捺印頂き、郵送またはメール添付でお送り下さい。
・手書きで提出の場合→FAX
・入力での提出の場合→メール添付のいずれか提出をお願い致します。
*大変多くの見学希望があり、2018年9月から所定の見学料金を頂いております。
 申し込み受付時に担当者より連絡させていただきます。

E-mail : kekkangeka@nishinokyo.or.jp

FAX : 0742-35-2106

病院見学依頼書
病院見学依頼書を確認の上、E-mailかFAXでお申込み下さい。

掲示板

血管外科手術件数

診療実績 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
全手術 753 966 754 531 638 730
下肢静脈瘤
(ストリッピング術、
レーザー・ラジオ波治療など)
746 950 754 529 628 728
その他(バイパス術など) 7 16 0 2 10 2

下肢静脈瘤とは

下肢(脚・足)の静脈が拡張して、瘤(こぶ)のように膨らんだ状態が下肢静脈瘤です。

下肢静脈瘤の症状

下肢静脈瘤ができる原因

足には心臓から足へきれいな血液を送る動脈と、老廃物を含んだ血液を心臓に向かって下から上へ運ぶ静脈があります。静脈には血液の逆流を防ぐ静脈弁があり、この弁が壊れてしまうと血液の逆流が起こり、足に血液が溜まってしまいます。その結果、表面の静脈がふくらんで下肢静脈瘤といわれる、ぼこぼこした血管のこぶになります。

下肢静脈瘤の治療法

患者様の症状や検査結果を確認して、それぞれのタイプに応じた治療方法を提案します。日帰り手術、入院の希望などお気軽にご相談下さい。


当院で行っている治療

手術治療
(ストリッピング術など)
下肢静脈瘤の原因となる静脈へ細い針金を挿入して、静脈を抜きとる方法です。手術時間は約30分です。
グルー治療 2019年から保険適応になった最新の治療法(VenaSeal)です。原因血管を薬剤で固めます。当院は国内で2番目にこの治療を開始しました。
レーザー治療・ラジオ波治療 原因血管を熱で閉塞します。レーザー「ELVeSTM Laser 1470nm」、ラジオ波「ClosureFASTTM」と最新機器を使用しています。
硬化療法 非接触型静脈可視装置:StatVeinを用いて、くもの巣状静脈瘤に薬剤を注入して目立たなくします。
圧迫療法 個々に適した強さで下肢を圧迫をして、むくみを解消します。
▶下肢静脈瘤の治療の流れ

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)とは

静脈の血液がうっ滞すると、血管内に血液の塊「血栓」ができやすくなります。下肢の深い部分にある静脈に血栓ができる症状を深部静脈血栓症といい、血栓が肺に飛んでしまうと、肺塞栓症を引き起こす可能性があります。肺塞栓症は致死率が10%を超える重篤な病気です。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の症状

・突然の下肢の腫脹と痛みがあらわれます。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の治療法

専門的な検査を行い血栓のできた部分、大きさ、固まり具合など個々の状態に合わせて最適な治療法を選択しています。手術は行わず、薬物療法と理学療法で経過を見るのが一般的です。

リンパ浮腫とは

体の細胞で不要になったタンパク・脂肪などを運んでいるリンパ液は、リンパ管を使って体のすみずみから、くびにある静脈角という場所に運ばれて静脈に流れ込みます。しかしがん治療(卵巣癌、子宮癌、乳癌など)でリンパ管を切断したり機能が損なわれると、そこから先にリンパ液が運ばれずにたまってしまいます。

リンパ浮腫の症状

  

リンパ浮腫の治療法

リンパ浮腫の基本的な治療法は複合的理学療法です。この複合的理学療法は、@スキンケア(感染予防)AリンパドレナージB圧迫療法C圧迫した状態での運動療法の4つの治療をあわせて行います。
当院は全国で数少ない教育入院対応可能な施設です。教育入院は短期間に最大限の治療効果が期待出来ます。

当科では最適な医療を提供するために様々な取り組みを行っております。

  • 2016年10月、昌和莫大小株式会社(広陵町)と帝塚山大学経済学部と共に地場産業復興を目的とした「NARAソックス・プロジェクト」立ち上げ

  • 2016年10月、下肢静脈瘤手術の世界的名医 Prof. Maurins(ラトヴィア共和国)のもとで研修

  • NARAソックス・プロジェクト
    畿央大学健康科学部 人間環境デザイン学科
    村田准教授とゼミ生

  • 2018年8月 Arias Medical Foundationから優秀賞受賞

  • 2018年8月 NARAソックス・プロジェクトの動画を公開。

  • 2018年10月、韓国大邱市の医療機関で技術指導

  • 2018年12月サンクトペテルブルグ(ロシア)で開催された1st International Venous ForumにPresidium memberとして参加

  • 2019年1月19日「弾性ストッキング・コンダクター奈良地区講習会」の開催

  • 2019年3月、南都銀行主催ビジネスモデル・コンテストで「NARAソックス・プロジェクト」が特別賞受賞

  • 2019年5月、アスンシオン国立大学医学部(パラグアイ)で招待講演

  • 2019年5月、Tornu Hospital(アルゼンチン)で手術研修

  • 2019年5月 アスンシオン国立大学附属病院(パラグアイ)でアドバイザーとしてビデオ出演

  • 23th Congreso Argentino e Internacional de Flebologia y Linfologia 2019で発表(コルドバ、アルゼンチン)

  • 2019年9月 2nd International Venous Forumで発表(モンテレイ, メキシコ)

  • 2019年11月 1st Biannual Meeting of Asian Venous Forumで発表(杭州, 中国)

  • 2020年1月 下肢静脈瘤の最新治療法であるグルー治療開始。国内2施設目

  • 2020年11月 International Venous Forumでインターネットを介して招待講演(上海, 中国)

  • 2022年2月 杉浦記念財団より「第11回 杉浦地域医療振興助成」を受賞

  • 2022年10月 今井医師が監修した着用ストッキング「たぴぽ」がGood Design賞2022を受賞

  • 2023年6月29日〜7月7日Rosana Godoy医師(Vascular Surgery Unit Hospital of Clinics of the National University of Asuncion, Paraguay)が当院に見学のため来日

  • 2024年1月 International Union of Phlebology(世界静脈学会)ニュースレターで紹介

スタッフ紹介

看護師

黒瀬 満梨奈

資 格

  • ・弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
  • ・血管診療技師
  • ・フットケア指導士

学会活動

  • ・日本静脈学会 会員
  • ・日本フットケア・足病学会 会員
  • ・関西CVTの会 運営委員

看護師

岡本 光司

資 格

  • ・弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

学会活動

  • ・日本静脈学会 会員
  • ・日本フットケア・足病学会 会員

臨床工学技士

谷本 尚愛

資 格

  • ・弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

学会活動

  • ・日本静脈学会 会員

文献ダウンロード

講演・講義・学術発表・座長等

各年度をクリックしてご覧ください。

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2017年

2016年

論文・分担執筆等

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